リリ子

Lilium Recordsの看板娘。淡泊な性格。寝ぼけて歯磨き粉で顔を洗ったことが3回ある。
名無し姫カット

リリ子通信(仮)のアシスタント。口が悪い。よく当たる占い屋で「今年中に死ぬ」と言われて3年経つ。

こんにちは、リリ子です。Lilium Recordsの最新情報などをお届けするリリ子通信(仮) Vol.12をお届けします。

こんにちは!名無し姫カットです!前回に引き続き今回もレクお兄ちゃんにお話を聞いちゃいま~っす💓

媚び媚びじゃないですか…。

レクです。よろしくお願いしまーす。
レク
Lilium Recordsのデザイナー。抽象的なCGグラフィックやコラージュを中心に、鋭さと荘厳的な空間表現を用いてグラフィック界隈を賑わせている。


「Legend Legacy」はリリースからちょうど5年くらいですね。

▲Legend Legacy

なんで東京タワーなんですか?

当時はスカイツリーができたてだったんです。代表するモニュメントが東京タワーからスカイツリーに移り変わるということで、このリリースに使用しました。 昔はすごかったんだぞ、という現れですね。

おぉ~!すごく深い!

テーマにピッタリですね。

解釈がデザイナーって感じです!というか、これ写真なんですか?

写真ですよ。ピカピカしてるのも他の写真の電飾をペタペタと。

工作みたいで楽しそう!

楽しいですよ。

「Trance Trip」も写真なんでしょうか。これもレクさんが撮られたんですか?

▲Trance Trip

そうですそうです。水族館行ったときに。

これ綺麗で優雅ですよね。トランスのイメージに合ってます。

もやもやした部分はApophysisってソフトを使ってます。

なんと、フリーソフトなんですね。

そうです。設定次第で結構色んなものができます。

それ使ったことあります!ホントにただのモヤができて終わったんですけど、使いこなせるとこうなるんですね~。

普段から使えるかもと思った写真はこうやって撮ってるんですか?

当時は結構撮ってましたけど最近は全然…。今はフリー素材の質が良いので事足りてしまうことが多いですね。

私もフリー素材になってどんどん露出しようかな。ゆくゆくは時をかけるアイドルに。

フリー素材アイドルっていますけどね。

やられた!

「Wabi-sabi World」はレクさんの作風としても異色なイメージがあります。

▲Wabi-sabi World

和風どうやるんだ!?という感じでしたね。今でこそ言えますけど作り直したい!

そうなんですか?私めっちゃ気に入ってますけど。

真ん中の緑のアクセントがかっこいいです。

最初「Wasabi World」に空目して緑にしました。すぐ気づいたんですけど、緑は合うしそのままやっちゃえって感じで。

想像以上にノリで作られていた?!

「This Is The Hell」は初めてイラストを使ったジャケットになりましたね。

▲THIS IS THE HELL (Illust: Nizikawa)

Nizikawaさんとの合作ですね。懐かしい!

どういう流れで出来上がったんでしょうか。

イラストが完成した状態をいただいて作業しました。コンセプトを聞いた上で「バレンタインデーでヤベエやつをつくろう」というノリでこんな禍々しいものができました。

バレンタインデーに良い思い出のない人たちだ!

禍々しいエフェクトも盛りだくさんですね。

実はこの禍々しいものはアルミホイルなんですよ。

アルミホイル!?

アルミホイルをぐっしゃぐしゃにして。白っぽいやつはティッシュです。

DIY!!

想像つかないような工程ですね。でもちょっとDTMのサンプリングに似てます。

ちなみにこの頃は学生でお金もなかったんでグリッチは手動だったんですよ。

パソコンカタカタでドン!じゃないんですね。すごいなあ…。

あと、Nizikawaさんからメッセージが届いてます。
「イラストどうするんだ!?という感じでしたね。今でこそ言えますけど描き直したい!」

さっきのレクさんのセリフのパクリじゃないですか!

「ちょっとDTMのサンプリングに似てます」とのことです。

うるさいわ!

「Apricot EP」はどちらも可愛く仕上がってますね。

▲Apricot EP

1は甘々な感じにしました。ドレス着てるんで似合うかなと。リリレコと当時毛色が違う感じがあったんで、なら振り切っていこうかなと。

当時は女の子使ったアートワークって全然なかったですもんね~。

2は背景シンプルにして漫画系のフォントを使いました。ジャケットもイラストありきなので使ってみようかなと。

▲Apricot EP 2

キラッキラですね。

後ろで光ってるものはアイドルのキラキラをイメージしてます。

うわ~まぶしいよ~。

「Imitation Illusion」は変わったアートワークでしたね。

▲Imitation Illusion

モコモコしてました!

3DCGのソフトにイラストっぽく書き出してくれる機能があるんですけど、それを使って線画っぽくしてみました。ディテールがあるものが好きなのでチャレンジしてみようかなと。

「Lilium Liberation」のピンクの部分も同じテクニックですか?

そうです。この頃はハマってました。

ちょうど「Lilium Liberation」の話題も出たことですし、CDリリースについて伺っていきましょう。初めてのCDシリーズだった「Lilium Liberation」、懐かしいですね。

▲Lilium Liberation

自分の好きなものがどんどん変わっていった頃です。初代はLiliumなので花々しく、2はハードコアなイメージで。と思ったら3でトランスみたいなスタイルになってたりします。

▲Lilium Liberation 2

▲Lilium Liberation 3

3で変化球投げてきましたね。

自分の中では3作目はひねりたいんですよ!なんででしょうね。自分で飽きちゃうんでしょうか?でも並べたときの統一感は大事にしてます。

このひねくれもの!

どれがお気に入りとかありますか?

色んな要素含めて3はトータルで好きです。バックインレイも思い返すと良い感じ!4年前の自分、意外とやるやん!

▲Lilium Liberation 3 バックインレイ表

直球に地球っぽさをイメージして作っていったんですか?

初代の頃はあんまCDデザインはやってなかったんですが、この辺からCDのパッケージングを意識し始めました。地球の中に構成されている曲が飛び立っていくイメージで作り上げていきました。ちなみに初代の初期案はこんな感じです。

▲Lilium Liberation 初期案

▲Lilium Liberation 初期案2

これは貴重な画像ですね。

神々しさがあります。

それでは地球繋がりで、「Lilium World Tour」の話でも。

▲Lilium World Tour (Illust: コーンぽたこ)

イラストめっちゃ可愛いですよね!

コーンぽたこ先生最高!!

本当にポップで可愛いです。

ワールドツアーなので、盤面も切手の判子みたいなデザインにしました。ジャケットに額縁を付けたのは、「これは画面の向こうの旅行だよね」というちょっとメタっぽい理由です。

バーチャル旅行ですからね。

実際には行かなくてもこれで行った気分になってねと。

バックインレイにモチーフとなった国の点が打ってあるのも粋な演出ですね。

▲Lilium World Tour バックインレイ

『Africa』の点の位置は迷ったでしょうね。

良さげな位置に点を付けておきました。

これはETIA.さんが悪い!

Lilium Recordsの看板作品「Lilium X」シリーズはどういった形で生まれているんでしょう。

X1のときは、今までのリリースと差別化して流れを変えていきたいという雰囲気がレーベル自体にありました。なので、デザインも今までとは違うスタイルにしました。

▲Lilium X1 (Illust: 櫻井エネルギー)

確かに当時としては全くと言っていいほど雰囲気が違いますね。

特に「Lilium Liberation」とは完全に差別化を行いたかったので、周りに囲みを付けましたりして工夫しました。

気づいてた方はいらっしゃるんでしょうか。Xシリーズは全てに枠が付いてます。

良いアクセントになったかなと思います。Xシリーズはイラストも相まってガラっと新鮮な気持ちで取り掛かれます。

「Lilium X2」のALISON先生とか悩まれたんじゃないですか?

▲Lilium X2 (Illust: ALISON)

ALISON兄貴は超悩みました!あれこそ予測不能ですよ!

▲Lilium X2 帯

特徴的でALISON先生らしい素敵な作品でした。

今でこそ普通ですけど、レトロフューチャー感というかSFみたいなのあるじゃないですか。ああいう感じハマるかなと。

バッチリでしたね!カタカナが散りばめられてるの好きです。

「Lilium X3」は一転シンプルに仕上がってますね。

▲Lilium X3 (Illust: あんのあーの)

マジでイラストがすごく良い!!!

リリ子さんキメッキメのモリッモリでしたもんね。

デザイン的にはハマるまで結構かかりましたね。気合入ってるので生半可なものじゃだめだなと。このシリーズ自分のハードルがあがっていってるんですけど!

X3は特にバックインレイが好きですね~。

▲Lilium X3 バックインレイ

僕も気に入ってます。ちょっとゴシック調な感じ。

「Lilium X4」は5周年記念作品でした。

▲Lilium X4 (Illust: コーンぽたこ)

記念作品ということでシュっとした感じで。筆書きみたいなものはやったことがなかったんですが、良い仕上がりになったかなと。全体的にアジアンテイストでしたね。

いつもどういう流れでデザインしてるんでしょう。最初から完成形が見えてるんですか?

場合によりますね。X4は筆文字やサインというモチーフから広げていった結果こうなりましたし、X2の時は完全に勢いです。

めっちゃ勢いありましたもんね。

X4は大体のカラーとフォントを決めていきました。こんな感じで。

▲Lilium X4 アイディア

おおすごい!こういうの見るだけでテンション上がる!

設定資料とか好きなタイプなんでワクワクします。

紫色と組み合わせられたらいいなと思ってたんですが、イラストと被るなあということで今の形に落ち着きました。最初は星を散りばめる案もありました。こんな感じです。

▲Lilium X4 アイディア

これはこれで見てみたい!

盤面も雰囲気があって素敵でしたね。どうやって作っているんですか?

▲Lilium X4 DISC1

万華鏡の作り方みたいな感じです。一つ複雑なオブジェクトを作ったあとに回転させるというイメージです。

私、万華鏡で酔ったんで3年くらい覗いてないです。

今日イチどうでもいい情報ありがとうございます。

本当は2回でまとめようと思ったんですが、話が弾んでしまったので次回に持ち越しとさせてください。

あ、レクさん!何かお知らせがあればぜひ。

えぇ!いいんですか?

なんなら毎週来てお知らせしてもいいですよ。

さすがに怒られますね。

ではお言葉に甘えて。

どうぞどうぞ。

最近「CLOSED DISTANCE」という同人誌を作りまして。通販もやってますのでぜひ手に取っていただければと思います。

表紙からしてめちゃくちゃかっこいいですね。どういう内容ですか?

暗いイメージです。今まで3D系をよく作ってたんですが、それらを禁止してタイポグラフィやグラフィックデザインに注力したものを作ってみました。博物館にありそうな感じも出てますね。

サンプルや映像も鳥肌ものですね!

というわけで、今回もレクさんにゲストで登場していただきました。

次回はレクさん回最後です…。

来週もよろしくお願いします。

気が向いたらお便りもじゃんじゃん送ってくださいね。それではごきげんよう。

まったね~!